2015年6月26日金曜日

Google検索で「福島 面白い」になるように。

年明けの福島が大嫌い以来の半年ぶりのブログです。


 

今回もそんな福島について書きます!
読んでる人の中には「お前、実は福島が好きだろ!」って思っている人もいると思いますが、福島のこれから、将来を考えたりすることは好きなんです。


色々関わっていることで、東北や地域の取り組み、クリエイティビティに興味を持ち、地元の福島に面白いこと、クリエティブなことをやっている企業や団体ってあるのかなって調べ始めたことが、今回書こうと思うようになったきっかけです。

調べた結果、上記のような企業・団体は、福島にほとんどありませんでした。東京やつくばなど他の地域に拠点を持った面白い企業の製造拠点が置かれるか、東京や大都市の企業・団体からの支援くらいです。
もちろん、私のリサーチ不足で本当はあるのかもしれせん。しかし、ネットで検索しても出てきません。 

 なんで、そんなことになっているのかを自分なりに考えてみました。



1.東京(首都圏)からの距離が近い。


福島県は、東京から近いです。郡山市まで新幹線で約1時間20分、高速バスで約4時間という立地にあります。別に福島に移住や移転をしなくても、企業・団体は福島のために活動出来てしまう環境です。


2.引っ込み思案やシャイな県民性 


福島の人たちは、積極性に欠けるかもしれません。例え理想があったり、面白いことをやろうとしていても、「誰かがやってくれる。」「自分だけじゃやれない。」といった積極性の足りなさやリーダーシップの取れる人材が福島には足りない。いるけど足りない。



3.保守的・排他的


どこの地方の地域にも言えることかもしれませんが、比較的年配の方の多い地域なので、保守的でありよそ者や新しいことをなかなか受入れない環境かもしれません。
特に会津地方は、頑固な方が多いと言われています。「会津三泣き」という言葉があるくらい最初はよそ者に厳しいです。 心を開いたらとても優しい人が多いですが。


4.情報の格差・場の不足。


東京に住んでいて感じるのは、福島と東京(大都市圏)の情報量の差です。地方でもネット環境が整い、グローバル化が進んでいるとは言え、首都圏との情報伝達の早さや量の差はまだあると思います。首都圏や大都市圏では受動的に良質な情報が受け取れても、地方では能動的に動かないと良質な情報が受け取れないような気がします。
例えば、co-ba koriyamaなどはありますが、熱意ある若者や経営者の集まれる場が少ない(情報交換の場の不足) 、最新の様々なメッソドを教える人(教育者)が少ないなど。



たぶん、もっともっと複雑な要因があると思いますが、個人的に考えてこの4つをあげてみました。
じゃあ、この4つのこと解決したら、すぐにどうにかなるのかと言ったら、2と3は数十年〜数百年かけないと変わらないと思います。

すぐに取組めて、変わりやすくなるのは4じゃないかと私は考えます。


 
宮城県石巻市の「ISHINOMAKI 2.0」 を例にあげると、

 
ISHINOMAKI 2.0は数多くある石巻で行われ始めたプロジェクトや企業・団体・人を繋げて、更に新しい取り組みを生んだり、情報の共有交換をできる団体になっています。
オープンシェアオフィスを中心部に作り人の交流を計ったり、居住希望者や起業家と大家を結びつける不動産を始めたり、子供のIT人材教育など、人と情報、産業の流れを上手く作り上げています。

このISHINOMAKI 2.0の取り組みは、震災後の2011年6月に始まったもので今年で5年目を迎えますが、確実に地域を変えたものだと思います。
震災後のボランティアなどが来て、人の流れができ、課題が明確になったのが石巻にISHINOMAKI 2.0ができ、石巻内外の人が石巻に関わり繋がれる場になっている。
ISHINOMAKI 2.0にはコミットしないけど、石巻で何かをやろうとしている人の刺激にもなっている。


抱えている問題や性質が違うので、福島にも石巻と同じことをやれとはいいません。
でも、同じ東北とはいえ、このような取り組みをやってることを知らない人が多いのが、福島の現状です。
同じ県内であっても、面白いことを企む、やっている人の存在を知ることも正直難しいと思います。

そんな福島の状況の中、考えたことは、


 

1.場づくり


ちゃんと何かしらをやろうとしている人が集まれる場を作る。若手起業家、商店主、建築家、デザイナー、教育者、農家など異業種が交わる場。しかも、県内外の多種多様な人を受入れられるオープンな場。
(ex:コワーキングスペース、シェアオフィス、カフェなどなど)


2. 滞在できる施設


場づくりとも被りますが、人が海外、県外、県内他の市町村から来たり、移住などを検討するには滞在できる宿泊施設的なのが不可欠じゃないかと考えます。
福島県でゲストハウスやユースホステル的なものはほとんどありません。観光地である会津にもありません。基本的に宿泊はシティホテル、ビジネスホテル、旅館くらいです。
お金のある出張のビジネスマンや旅行客にとってはそれだけでいいかもしれませんが、お金のない若者や特別な体験や出会いなどを求める人には、ゲストハウスは大切は施設なのかもしれません。
特に、海外からの偏見などが未だに多い福島には、福島に滞在して現状を見てもらえるチャンスを多く作らなければならないと思います。もちろん、Airbnbのような民泊を推進するのも一つの方法だと。


3.住んでいる人が動き出す


これが1番重要だと思います。福島を見ていると、意外と地元の人のアクションが少ないなと思います。
例えば、クリエイティブディレクターの箭内道彦さんは、福島出身ではありますが福島在住ではありません。福島第一原発観光地化計画のメンバーにも福島在住者は1人(開沼 博さん)しかいません。
住んでいる人が、何かを始める、動き出すという環境作りやムーブメントを起こさないと長続きするようなことは出来ないと思います。
地方創生といって色んな人が地方に来ています。でも、その人たちがその土地に住んでいるかと言ったら必ずしもそうではないはずです。
移住者でもいいから、よそ者主導でもいいから、その土地に住んでいる人が動き始めないと、ずーっと福島はこのままだと思います。


4.情報発信


福島は圧倒的に情報発信力が足りないと思います。
例えば、猪苗代町に「はじまりの美術館」という新しい美術館ができても一部のアート好きしか知らない。県内の人すら知らない。農作物も買ってくれない人に対する安心安全PRは積極的ですが、買ってくれる人に対するリピーターになってくれるようなもっと深い訴求・魅力発信が強く出来ていない。
県民性と関係すると思いますが、やっぱりある種の他人任せなのかなって思います。行政や国がやってくれるとか。もちろんやっている人もたくさんいますが、その人たちがあまり交わらないために情報発信が弱くなっている気がします。


この4つが今すぐにでも始められることなんじゃないかなと、私は考えます。

地元の人が動き ⇒ 何か出来る場作り ⇒ 滞在施設ができ ⇒ 情報発信強化 ⇒人が来て滞在 ⇒ 福島の魅力・課題に気づく ⇒ 作った場で活動 ⇒ 移住(地元の人になる) ⇒ 地元の人が動く⇒ 企みができる ⇒ 企みが福島の魅力に ⇒ 人が来て滞在 ⇒ 福島の魅力・課題に気づく ⇒・・・・・

みたいな流れが作れたら理想的なのかなって思います。こんな流れが出来るには、上記の4つを個別でやるのではなく交わりながら出来れば、不可能ではないはずです。はず…。たぶん。もちろん、簡単ではないですけど。


22、3歳の何も知らない小僧が何を理想を書いてるんだと思う人もいますでしょう、
でも、自分の経験の中で、福島はこうしたらもっと良くなる、面白くなる、楽しくなると思ったこと感じたことを書いてみました。

 こうやってしっかり公に自分の考えや想いを公開することで、なんかしらのきっかけになればいいと思い、拙い文章ではありますが想いを吐き出しました。
理想を語るのは簡単かもしれませんし、語っているときが1番楽しい時間です。だけど、理想で終わらないように、自分も出来ることから少しずつ始めてみようと思います。


 「福島 原発」 「福島 奇形」じゃなくて、「福島 面白い」「福島 楽しい」とGoogleで検索される日が来るように。





2015.06.26 ナガサワケンタ