2014年12月20日土曜日

なくなるということ。


 先日、新宿の歌舞伎町にある、映画館「ミラノ座」に行って来ました。
ミラノ座は1956年(昭和31年)に開業した映画館で、開業時1500席、現在でも1000席弱を誇る国内でも最大規模。


そのミラノ座は2014年12月31日をもって、58年の歴史に幕をおろします。
 20日からはさよなら上映と題して、ミラノ座にゆかりのあるETやエヴァンゲリオンなどを上映するそうです。

 

そのミラノ座に行って感じたのは、人はなくなると分かった瞬間から、とても寂しくなるということです。劇場に来ていた多くの人が、館内の写真を撮っていました。やはりなくなると分かると人は、急に思い出に浸り始まります。
先日行った時に、ミラノ座の思い出を語る夫婦がいて、歴史を作って来た場所には来た人の数だけ、多くの感情があると思います。この映画館で出会った人が今、結婚してるかもしれない、子供と来てるのかもしれない、孫と来てるのかもしれない、そう想像出来る歴史のある場所は素敵だと感じました。

でも、思うことは、なくなると分かった瞬間に、“無くならないで!”と声を上げる人が多すぎるのではないかと思います。
寂しくなるし、思い出がなくなっていく感覚はとてもわかりますが、シネコンに行ってミラノ座に行ってなかった人が無くならないでと騒ぐのはちょっと筋違いなのではないかと思いました。
このミラノ座だけではなく、どこかのお店や場所が無くなる度にいつも違和感を感じていました。


無くならないで欲しい場所は、通いましょう。そこで買い物をしましょう。周りにおすすましょう。僕は、いつもそう思います。
形あるものいつかは変わります。終わりを告げます。それまで、自分の好きなモノや場所は最後まで応援し続けたいと僕は思います。



最近、東京都内の多くの街で再開発が行われています。そこには多くの賛否があって、さびしがる人も大勢います。
でも、街が変わるっていうことは、寂しいっていう感情だけではないと思います。
街が変わるってワクワクするし、ドキドキもします。新しい場所って冒険心をすごくくすぐれるし、時にはとても便利になります。
街は、生き物と同じだと思います。代謝をしてどんどん若返る。スクラップ&ビルドを推奨する訳ではないですが、場所によっては代謝が必要な場所があると思います。


上京して4年弱、東京の面白いところは常に代謝して、変わり続ける街。そして、その代謝の中に昔の痕跡がたくさん残ってるのが東京が常に刺激的な街であり続ける理由なんじゃないかなって思います。


ポジティブに考えると、なくなるっていうことも一種の価値かもしれません。
数回しか行ったことの無い場所でしたが、ミラノ座はとてもいい映画館でした。雑多な街の癒しの空間。


0 件のコメント:

コメントを投稿