2015年11月19日木曜日

871_botをはじめて4年



Twitterの箭内道彦botをはじめてから、今日で4年が経ちました。

震災後の箭内さんの活動とか言葉をどうにかもっと多くの人に知ってほしい。
自分が箭内さんの言葉に奮い立たされ、励まされたように、一人でも箭内さんの言葉を必要としている人に届けたい。
広告を作る人を広告したい。と些細なきっかけけではじめてもう4年。



もともと公式でbotがあったけど、ほとんど動いてなくて、動いてないなら自分で作っちゃえと勢いで作ってみたら、いつの間にか本人にまで知られて、ちょっとだけインターンとして箭内さんのとこにまで潜り込んだりしちゃってた。
たまたまTwitterを開いてあった箭内さんbotの言葉に助けられたとかいう言葉をもらったり、botきっかけで多くの人とのご縁があったり、ちょっとした衝動で動き始めて本当に人生を大きく変えられた気がします。


Twitterという場所はだんだんと変わってきて、見てくれる人は少なくなりそうだけど一人でも箭内さんの言葉を求めている人がいるのなら続けたいなって思います。
Twitter以外でも何かしらの形でも発信したいので、いま模索中です。












2015.11.19 ナガサワケンタ

2015年11月12日木曜日

2度目のCreative Summer Campを終えて。



2年目のCreative Summer Campを終えて、
Creative Summer Campをやる意味合いや、2年間開催して実際にどんなことが起きたのかを振り返ってみました。
(9月くらいに途中まで書いて、下書きにしっぱなしでした…… )


①若者が滞在し、地元の人が見失った個性を再発見する。

地元の人はその土地に住んでいると、個性や魅力が見えなくなってしまうことがあります。
そこで、よそ者の若者が、ロケハン1泊2日、撮影・編集2泊3日、合計5日間その土地に滞在して、その土地の個性や魅力を映像として切り取る。
その映像を見た地元の人が、個性や魅力に気が付く。
現段階では、上記までがCreative Summer Campのプログラム。

ここから先がまだ達成出来ていないけど、本当に重要なところで、
さらに映像が発信されそれを見て、日本中、世界中からその土地の個性や魅力を感じたくて訪れる。
それを目の当たりにして、地域の人たちが個性をどう大切にしていこうか、活かしていこうか考え始める。
そして開催地域の人たちが主体的に、地域の魅力を外に強く発信し出す。

今年の映像で出て来たものを実際に商品化したいという動きも出始めています。
映像を作るだけで終わってしまうのではなく、何かしらのアクションに繋がる映像がとても重要だと感じました。


②滞在した若者がその土地のファンとなる。

参加者である若者が、ホームステイや地元の方との交流を通じて、その土地を住んでいる人目線で知ります。
交流、会話を通して、映像のアイデアのモトを探る機会でもあります。
しかし、アイデアや企画を考える機会だけではなく、ホームステイや交流によってその土地のファンに参加者は必ずなります。
都会に生まれ、都会で育った若者にとって故郷と言っても過言ではない場所ができるのです。お酒を酌み交わし、その土地の野菜やお米、郷土料理を食べることで愛着が増し、また来たい、何か一緒にしたいという人がたくさんいます。
CSCの繋がりをきっかけとした事業や地方への移住や検討などが起こっていけばいいなと思います。


③開催地域の人たちがクリエイティブや映像の力を信じ始める。

開催地域の人たちにとって、映像やクリエイティブは本当に未知のものだと思います。
CSCの企画概要を説明するにも本当に一苦労します。昨年の様子を映像で見せてもいまいちピンと来ていない。
でも、ロケハンで20人以上の若者が東京からやってきて、
真剣に見たり、質問をしたりする姿を見て、地域の人たちの様子も変わり始めます。

その真剣な姿を見たロケハン後には、撮影のキャスティングや撮影場所などで協力していただいり、他の地域の人も巻き込んでいただけるようになっています。

そして、現地の最終発表で出来上がった作品を見て、映像の力の大きさを知った方々も多いと思います。
漠然としていて、小難しくて、若者にしか分からないと思っていた映像やグラフィックなどを含めた、クリエイティブ物が、その地域の人にとって前よりもグンと近くなってると実感しました。



④渋谷のスクランブル交差点で放映されるという強み。

パートナーの東急電鉄さんのご協力のもと、渋谷のスクランブル交差点で放映されるということは、凄く強みだと思います。
映像を作って、YouTubeにアップして終わりではなく、媒体としての渋谷、スクランブル交差点があることによって、開催地域と参加者のモチベーションにも繋がっています。
 

⑤講師・審査員の豪華さ。

Creative Summer Campの大きな特徴の一つと言えるのが、講師・審査員の豪華さだと思います。
実際に広告や映像業界で活躍するトップクリエイターから、直接指導や講評を得れるのは、他の広告系の講座ではなかなか味わえないものだと思います。
講師の方もしっかり現地へ同行して、夜遅くまでアドバイスをもらえる機会は経験できる物ではないと思います。
年々協力していただける方も増えていて、本当にありがたいです。



⑤クリエイティブコミュニティの形成。

広告業界を目指す学生、映像クリエイター、広告代理店勤務などなど、様々な参加者が日本各地から集まるのも、 Creative Summer Campの面白さだと思います。
年齢も29歳以下というくくりなので年も近く、仲間でもありライバルでもあるそういった関係が生まれやすいです。
このプログラムで繋がった人同士で、また映像を作ったり、就活のOB訪問をしたり、飲み会をしたりクリエイター同士で繋がれるというクリエイティブコミュニティの形成ができています。




正直、Creative Summer Campは運営側からするとめちゃくちゃ大変。
今年も色々ありましたし、来年も色々あると思います。
でも、その大変さ以上にやりがいや、地域が変わる瞬間を目に出来るので楽しいです。
このプログラムには、何かしら日本の地域を変える力があると、やっていて感じています。
参加者、開催地域の人、運営などCreative Summer Campをやってみての発見が数多くあったハズ。ひと夏で終わるんじゃなくて、何かが始まればいいなと思います。

箭内道彦さんがこんなことを言ってました。

『「自分のために」がんばる人は限界がくるそうです。「お金のために」がんばる人は限界がくるそうです。でも、「誰かのため」「社会のため」というスイッチが入ると「やめるわけにはいかなくなる」そうです。世界中の人が幸せになるまで、仕事が終わらなくなる。』

Creative Summer Campやmy Japanの活動は誰かのためや社会のためのスイッチが入ってるからこそ本気で取り組めるし、生半可なことはできないと。






 2015.11.12 ナガサワケンタ

2015年6月26日金曜日

Google検索で「福島 面白い」になるように。

年明けの福島が大嫌い以来の半年ぶりのブログです。


 

今回もそんな福島について書きます!
読んでる人の中には「お前、実は福島が好きだろ!」って思っている人もいると思いますが、福島のこれから、将来を考えたりすることは好きなんです。


色々関わっていることで、東北や地域の取り組み、クリエイティビティに興味を持ち、地元の福島に面白いこと、クリエティブなことをやっている企業や団体ってあるのかなって調べ始めたことが、今回書こうと思うようになったきっかけです。

調べた結果、上記のような企業・団体は、福島にほとんどありませんでした。東京やつくばなど他の地域に拠点を持った面白い企業の製造拠点が置かれるか、東京や大都市の企業・団体からの支援くらいです。
もちろん、私のリサーチ不足で本当はあるのかもしれせん。しかし、ネットで検索しても出てきません。 

 なんで、そんなことになっているのかを自分なりに考えてみました。



1.東京(首都圏)からの距離が近い。


福島県は、東京から近いです。郡山市まで新幹線で約1時間20分、高速バスで約4時間という立地にあります。別に福島に移住や移転をしなくても、企業・団体は福島のために活動出来てしまう環境です。


2.引っ込み思案やシャイな県民性 


福島の人たちは、積極性に欠けるかもしれません。例え理想があったり、面白いことをやろうとしていても、「誰かがやってくれる。」「自分だけじゃやれない。」といった積極性の足りなさやリーダーシップの取れる人材が福島には足りない。いるけど足りない。



3.保守的・排他的


どこの地方の地域にも言えることかもしれませんが、比較的年配の方の多い地域なので、保守的でありよそ者や新しいことをなかなか受入れない環境かもしれません。
特に会津地方は、頑固な方が多いと言われています。「会津三泣き」という言葉があるくらい最初はよそ者に厳しいです。 心を開いたらとても優しい人が多いですが。


4.情報の格差・場の不足。


東京に住んでいて感じるのは、福島と東京(大都市圏)の情報量の差です。地方でもネット環境が整い、グローバル化が進んでいるとは言え、首都圏との情報伝達の早さや量の差はまだあると思います。首都圏や大都市圏では受動的に良質な情報が受け取れても、地方では能動的に動かないと良質な情報が受け取れないような気がします。
例えば、co-ba koriyamaなどはありますが、熱意ある若者や経営者の集まれる場が少ない(情報交換の場の不足) 、最新の様々なメッソドを教える人(教育者)が少ないなど。



たぶん、もっともっと複雑な要因があると思いますが、個人的に考えてこの4つをあげてみました。
じゃあ、この4つのこと解決したら、すぐにどうにかなるのかと言ったら、2と3は数十年〜数百年かけないと変わらないと思います。

すぐに取組めて、変わりやすくなるのは4じゃないかと私は考えます。


 
宮城県石巻市の「ISHINOMAKI 2.0」 を例にあげると、

 
ISHINOMAKI 2.0は数多くある石巻で行われ始めたプロジェクトや企業・団体・人を繋げて、更に新しい取り組みを生んだり、情報の共有交換をできる団体になっています。
オープンシェアオフィスを中心部に作り人の交流を計ったり、居住希望者や起業家と大家を結びつける不動産を始めたり、子供のIT人材教育など、人と情報、産業の流れを上手く作り上げています。

このISHINOMAKI 2.0の取り組みは、震災後の2011年6月に始まったもので今年で5年目を迎えますが、確実に地域を変えたものだと思います。
震災後のボランティアなどが来て、人の流れができ、課題が明確になったのが石巻にISHINOMAKI 2.0ができ、石巻内外の人が石巻に関わり繋がれる場になっている。
ISHINOMAKI 2.0にはコミットしないけど、石巻で何かをやろうとしている人の刺激にもなっている。


抱えている問題や性質が違うので、福島にも石巻と同じことをやれとはいいません。
でも、同じ東北とはいえ、このような取り組みをやってることを知らない人が多いのが、福島の現状です。
同じ県内であっても、面白いことを企む、やっている人の存在を知ることも正直難しいと思います。

そんな福島の状況の中、考えたことは、


 

1.場づくり


ちゃんと何かしらをやろうとしている人が集まれる場を作る。若手起業家、商店主、建築家、デザイナー、教育者、農家など異業種が交わる場。しかも、県内外の多種多様な人を受入れられるオープンな場。
(ex:コワーキングスペース、シェアオフィス、カフェなどなど)


2. 滞在できる施設


場づくりとも被りますが、人が海外、県外、県内他の市町村から来たり、移住などを検討するには滞在できる宿泊施設的なのが不可欠じゃないかと考えます。
福島県でゲストハウスやユースホステル的なものはほとんどありません。観光地である会津にもありません。基本的に宿泊はシティホテル、ビジネスホテル、旅館くらいです。
お金のある出張のビジネスマンや旅行客にとってはそれだけでいいかもしれませんが、お金のない若者や特別な体験や出会いなどを求める人には、ゲストハウスは大切は施設なのかもしれません。
特に、海外からの偏見などが未だに多い福島には、福島に滞在して現状を見てもらえるチャンスを多く作らなければならないと思います。もちろん、Airbnbのような民泊を推進するのも一つの方法だと。


3.住んでいる人が動き出す


これが1番重要だと思います。福島を見ていると、意外と地元の人のアクションが少ないなと思います。
例えば、クリエイティブディレクターの箭内道彦さんは、福島出身ではありますが福島在住ではありません。福島第一原発観光地化計画のメンバーにも福島在住者は1人(開沼 博さん)しかいません。
住んでいる人が、何かを始める、動き出すという環境作りやムーブメントを起こさないと長続きするようなことは出来ないと思います。
地方創生といって色んな人が地方に来ています。でも、その人たちがその土地に住んでいるかと言ったら必ずしもそうではないはずです。
移住者でもいいから、よそ者主導でもいいから、その土地に住んでいる人が動き始めないと、ずーっと福島はこのままだと思います。


4.情報発信


福島は圧倒的に情報発信力が足りないと思います。
例えば、猪苗代町に「はじまりの美術館」という新しい美術館ができても一部のアート好きしか知らない。県内の人すら知らない。農作物も買ってくれない人に対する安心安全PRは積極的ですが、買ってくれる人に対するリピーターになってくれるようなもっと深い訴求・魅力発信が強く出来ていない。
県民性と関係すると思いますが、やっぱりある種の他人任せなのかなって思います。行政や国がやってくれるとか。もちろんやっている人もたくさんいますが、その人たちがあまり交わらないために情報発信が弱くなっている気がします。


この4つが今すぐにでも始められることなんじゃないかなと、私は考えます。

地元の人が動き ⇒ 何か出来る場作り ⇒ 滞在施設ができ ⇒ 情報発信強化 ⇒人が来て滞在 ⇒ 福島の魅力・課題に気づく ⇒ 作った場で活動 ⇒ 移住(地元の人になる) ⇒ 地元の人が動く⇒ 企みができる ⇒ 企みが福島の魅力に ⇒ 人が来て滞在 ⇒ 福島の魅力・課題に気づく ⇒・・・・・

みたいな流れが作れたら理想的なのかなって思います。こんな流れが出来るには、上記の4つを個別でやるのではなく交わりながら出来れば、不可能ではないはずです。はず…。たぶん。もちろん、簡単ではないですけど。


22、3歳の何も知らない小僧が何を理想を書いてるんだと思う人もいますでしょう、
でも、自分の経験の中で、福島はこうしたらもっと良くなる、面白くなる、楽しくなると思ったこと感じたことを書いてみました。

 こうやってしっかり公に自分の考えや想いを公開することで、なんかしらのきっかけになればいいと思い、拙い文章ではありますが想いを吐き出しました。
理想を語るのは簡単かもしれませんし、語っているときが1番楽しい時間です。だけど、理想で終わらないように、自分も出来ることから少しずつ始めてみようと思います。


 「福島 原発」 「福島 奇形」じゃなくて、「福島 面白い」「福島 楽しい」とGoogleで検索される日が来るように。





2015.06.26 ナガサワケンタ

2015年1月3日土曜日

福島が、大嫌い。

12月28日から、実家のある福島県郡山市に帰省しています。

上京して4年強、今回の帰省であらためて



福島が、大嫌い。



と思いました。

家族、親戚、友達がいて、おいしいもの、いいところがたくさんあるけど、大嫌い。
好きになろうとしたし、好きになったと思い込んでたけど、やっぱりダメでした。


ぼくは、東京が大好きです。
東京は、何をしようが許してくれる街。
    どんな服を着ようが許してくれる街。
    どんな話をしようが理解してくれる街。
    どんな人とも出会える街。
    なんでもある街。
    なんにもない街。

 福島は、自分を受入れてくれる東京が好きだと、思わせてくれました。

福島は、とっても微妙な距離にあるところです。東京まで遠からず、近からず。
東京まで最速で約1時間半で行ける場所。東京在住の福島県民からしたら、いつでも逃げて帰れる場所なんです。だからこそここまで、変に意識をしたりして嫌いってことを他の県民の人より感じやすいのかなって思います。 






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 中学生のときまでの友達は、家が近いことが共通点。
 高校生のときまでの友達は、学力が共通点。
 大学以降に出会う友達は、やりたいことが共通点。
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友達が、高校の先生に言われた言葉だそうです。
まあ、この言葉をどう捉えるかは、人それぞれだと思いますが、自分はその通りだと思います。

これだけ、インターネットが発達して、どこの場所も変わらないと勝手に思い込んでいましたが、 やっぱり住んでいる場所は人の思考を変えるものだと思うし、リアルでのコミュニティが自分自身を形成する上でとても大事だと、この数日の帰省で実感しました。


なんでこんなことを書こうと思ったのかというと、中学時代のクラスメイトの飲み会で、感じたことがきっかけ。
自分が変わったのか、みんなが変わったのか、やっぱり地元や地方都市にいる子と自分とのギャップをとても感じました。良い意味でも悪い意味でも。

で、酔っぱらった勢いで、いままで何かしら溜まっていたモノが出で雑な画像をインスタに投稿して、恥ずかしい思いをして、今言い訳なのか、なんなのか訳の分からないことを書いています。

 インスタにアップした雑な画像。作ったときの記憶があいまい…


簡単にこんなことを書いてるようですが、たぶん22年間の自分なりの経験がここまで福島嫌いを加速させたんだと思います。
そして、大嫌いと宣言して、福島を無視しきれない自分の方がもっと大嫌いです。


最後に、お酒を飲んだ時にSNSに触れてはいけません。起きた時に大変後悔します(笑)


2015.01.03 ナガサワケンタ

2014年12月31日水曜日

2014年って。

2014年も、もう終わり。簡単に1年の振り返りをしようと思います。

my Japanという団体の運営メンバーになり、この1年色々なことを得れた年でした。
地方に行きCMを作るサポートをしたり、多くのイベントの運営と、そのイベントのグラフィックを多く制作しました。

また、多くの人にも出会いました。大好きだったクリエイターの方に会ってお話を聞いたり、人生を変えられた某金髪の方の会社にインターンでお世話になったり、my Japan関係では同年代のクリエイターを目指す人たちの話を聞いて刺激し合ったり。
人生で1番、人と出会うことの多い年だったと思います。社交性のかけらもなかった自分がここまで人と出会えたのは東京という場所のおかげなのかも。相変わらずコミュニケーション能力は向上してませんが(笑)

この1年で自分が将来何をするべきで、その方向に向かって何をしたらいいのかを見定めることの出来た1年だったと思います。
自分の今までの点でしかなかった経験や好きなこと、得意なことが大まかに結ばれて線になった年だったので、来年は線を面になるような年にしていきたいです。


とりあえず、誰か職をください…




2014/12/31 ナガサワケンタ

2014年12月20日土曜日

なくなるということ。


 先日、新宿の歌舞伎町にある、映画館「ミラノ座」に行って来ました。
ミラノ座は1956年(昭和31年)に開業した映画館で、開業時1500席、現在でも1000席弱を誇る国内でも最大規模。


そのミラノ座は2014年12月31日をもって、58年の歴史に幕をおろします。
 20日からはさよなら上映と題して、ミラノ座にゆかりのあるETやエヴァンゲリオンなどを上映するそうです。

 

そのミラノ座に行って感じたのは、人はなくなると分かった瞬間から、とても寂しくなるということです。劇場に来ていた多くの人が、館内の写真を撮っていました。やはりなくなると分かると人は、急に思い出に浸り始まります。
先日行った時に、ミラノ座の思い出を語る夫婦がいて、歴史を作って来た場所には来た人の数だけ、多くの感情があると思います。この映画館で出会った人が今、結婚してるかもしれない、子供と来てるのかもしれない、孫と来てるのかもしれない、そう想像出来る歴史のある場所は素敵だと感じました。

でも、思うことは、なくなると分かった瞬間に、“無くならないで!”と声を上げる人が多すぎるのではないかと思います。
寂しくなるし、思い出がなくなっていく感覚はとてもわかりますが、シネコンに行ってミラノ座に行ってなかった人が無くならないでと騒ぐのはちょっと筋違いなのではないかと思いました。
このミラノ座だけではなく、どこかのお店や場所が無くなる度にいつも違和感を感じていました。


無くならないで欲しい場所は、通いましょう。そこで買い物をしましょう。周りにおすすましょう。僕は、いつもそう思います。
形あるものいつかは変わります。終わりを告げます。それまで、自分の好きなモノや場所は最後まで応援し続けたいと僕は思います。



最近、東京都内の多くの街で再開発が行われています。そこには多くの賛否があって、さびしがる人も大勢います。
でも、街が変わるっていうことは、寂しいっていう感情だけではないと思います。
街が変わるってワクワクするし、ドキドキもします。新しい場所って冒険心をすごくくすぐれるし、時にはとても便利になります。
街は、生き物と同じだと思います。代謝をしてどんどん若返る。スクラップ&ビルドを推奨する訳ではないですが、場所によっては代謝が必要な場所があると思います。


上京して4年弱、東京の面白いところは常に代謝して、変わり続ける街。そして、その代謝の中に昔の痕跡がたくさん残ってるのが東京が常に刺激的な街であり続ける理由なんじゃないかなって思います。


ポジティブに考えると、なくなるっていうことも一種の価値かもしれません。
数回しか行ったことの無い場所でしたが、ミラノ座はとてもいい映画館でした。雑多な街の癒しの空間。


2014年10月3日金曜日

地方最高!地方再考!



ここ数ヶ月、運営メンバーをしている団体「my Japan」の企画「Creative Summer Camp」で色んな地域に行かせていただいている。
Creative Summer Camp(以下CSC)は、首都圏や関西などの若手クリエイターを集めて、宮城県石巻市、福島県只見町、長野県長野市の3つの地域に行き、その土地でその地域のCMを撮影・編集を2泊3日で編集をするという映像プログラム。

そのCSCで3つの地域運営として、ロケハンと撮影で3つの地域に2回行かせていただいた。
まず、その地域に行って思ったことは、どの地域も地元の魅力やその土地の持つ力に気付いていないということ。

石巻は震災後、これからの未来へのビジョンがはっきりとしている土地で、たくさんの人の力が、想いが詰まった地域でした。震災という大きな問題を未だに抱えてはいるものの、新しいワクワクする未来が見えた場所でした。
辛い経験をした上で、語る未来へのビジョンは本当に強い力を持った言葉です。

石巻は、その土地で石巻を良くしようとする人たちが、1番の観光であり、石巻を訪れる多くの人たちに出会って欲しいと思いました。
 



福島の只見町は、本当になにもない田舎です。福島県出身の私ですら田舎だと思うし、行ったことのない地域。
しかし、行ってみると、「何もないけど、なんかいい。何もないから、なんかいい。」そんな印象を抱きました。

山、川、田んぼ、森、只見っぽいといえばダムかブナ林くらい。でも、なんか居心地がいいっていう不思議な魅力が。
特に只見町は、地元の人たちの自分たちが住む地域の魅力があまり知られていない町だった気がします。どこにでもある米かもしれませんが、只見の米には実るまでの物語があるし、その素敵な物語を地元の人は当たり前すぎて見落としています。
そのことを参加者の作った映像を見て、ハッとさせられました。



長野県長野市は、善光寺っていうお寺があって、おやきとそばがあるどこにでもある地方都市だと、行く前までは思っていました。
しかし、行ってみるとリノベーションされた数々のお店に、シェアハウス、オフィスが点在。セレクトショップや本屋さんなどの個人経営のお店もたくさん。

たぶん、バブル以降多くのお店が潰れたり、空き家がたくさん増えたどこにでもある地方都市だと思います。
そのどこにでもある地方都市からリノベ物件が多くなり、色んな人が行き交う街になり始めてる理由は、やはり“人”
地元のいいものをどうにか活用しようと純粋な活動が理解されて、広がった結果がいまの長野がある理由だと思います。
もちろん、長野県の県民性もあり、会う方々みなさんオープンでよそ者に優しい方々でした。

善光寺という昔からある文化的施設があり、そこをハブとして人が集まり、行き来し、よそ者に優しい県民性になったんだと実感しました。

また、小布施町にも行きましたが、小布施も素敵なところで、「観光ではなく交流」だと町長が言っている街です。
長野県は、本当に魅力的で、実際1番移住したいと思えた地域でした。
長野は観光も、生活もしっかりとデザインされた街です。










こんな感じで、3地域とも魅力的で、自分の行動範囲や視野の狭さを改めて思い知らされたのと、東京以外にもおもしろい場所がこんなにもあり、日本っていいなと思いました。

日本の1番の観光資源は、景色でも、歴史的な建物でも、美味しい食事でもなく、人です。
人が良くないといくら歴史的な観光名所でもつまらなくなります。美味しい食事も人が良くないとまずくなります。
また来たい、住みたいと思わせる1番の動機は人の良さです。

そんなことをこの映像プログラムを運営して得られたことです。
運営としては大変なことばかりでしたが、相当いいプログラムだと運営目線でも思います。
参加者や受け入れ先の地域の人、お互いに発見があり、いい刺激になって少し空気が変わった地域もありました。


「行ってみないと分からない。行ったつもりになるのが一番もったいない。」